「万が一の時は譲る」という約束と、遺言書の意外な違い

仕事帰りや休日にジョギングをしていると、ふとした瞬間に法律の不思議な仕組みについて考えることがあります。今日は、知っているようで意外と知らない「財産の引継ぎ方」のお話です。

一般的に、ご自身の財産をどなたかに譲る方法といえば「遺言(ゆいごん)」を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、法律にはもう一つ**「死因贈与(しいんぞうよ)」**という仕組みがあります。

この二つ、実は「書き方のルール」に大きな違いがあるんです。

◆「遺言」はルールがとても厳しい まず、遺言はとても厳格です。本人がお一人で決めることなので、偽造や間違いを防ぐために、法律で厳しいルールが決められています。 「自筆で書くこと」「日付を入れること」「印鑑を押すこと」など、決められた正しい書き方を一つでも間違えると、せっかくの書類が全て無効になってしまいます。

◆「死因贈与」は契約なのでルールが緩やか 一方で、「私に万一のことがあったら、この家をあなたに譲ります」と、相手の方と合意して約束する「死因贈与」は、もっと自由です。 法律の専門的な話になりますが、死因贈与は「譲る内容」については遺言のルールを参考にしますが、「書き方のルール(方式)」については遺言のような厳しい決まりはありません。

つまり、譲る側と受け取る側の二人で納得していれば、口頭での約束でも、パソコンで作った書類でも、あるいはどなたかに代筆してもらったものでも、法律上は有効になるということです。 遺言は「一人で決めるもの」ですが、死因贈与は「二人で結ぶ契約」だからこそ、形式までは細かく縛られないというわけです。

◆銀行員としての経験からのアドバイス ただし、銀行員として長年多くの相続の現場を見てきた経験から申し上げますと、いくらルールが自由だからといって、口約束だけで済ませるのはおすすめできません。 「言った、言わない」のトラブルになったり、いざという時に他の相続人様から無効だと主張されたりして、せっかくの想いが台無しになってしまうケースがあるからです。

たとえ形式は自由であっても、大切なご家族のために、契約書としてしっかりとした書面で残しておくことが本当の安心に繋がります。

ご自身の想いをどう形にすればいいのか迷っている方は、ぜひ一度ご相談ください。平日の夜間や土日も、皆様の状況に合わせてお話を伺っております。


【ご注意・免責事項】 本記事は、一般的な法令や実務慣行に基づく解説であり、個別の事案に対する法的効力を保証するものではありません。 具体的な契約書の作成や相続対策については、行政書士や弁護士等の専門家へご相談ください。

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