「新築・外国籍案件の地雷を避ける最強のワンアクション 」— 仲介担当者がやるべきは繋ぐことだけ
不動産営業という長いマラソンのゴール直前。決済当日に氏名表記の相違という地雷を踏み、すべてが白紙に戻ってしまうケースが後を絶ちません。中古物件では起きにくかったこの事故が、なぜ新築では多発するのか。その理由は、新築特有の表示登記というステップの早さと、関係者の情報の断絶にあります。
1.中古物件の場合、既に存在する登記簿をベースに進めるため、決済直前まで表記を調整する猶予があります。しかし、新築物件はまだ何も書かれていない戸籍に最初の一筆を書き込む表示登記から始まります。この表示登記は、ローン契約(金消契約)よりも遥かに早い段階で申請されます。一度書かれた戸籍を直すには、膨大な費用と時間を要する更正登記が必要になり、決済日は確実に延期されます。
2.外国籍の方の住民票にはアルファベットはあっても、フリガナが載っていないケースが多々あります。登記にはカナ表記が必要な場合があり、土地家屋調査士はどこからか情報を探さなければなりません。ここで起きるのが、根拠のないフリガナ採用です。調査士が健康保険証などを参考にフリガナを決めてしまうことがありますが、保険証のカナは勤務先の事務担当者が便宜上入力しただけの推測の名前である場合が多いのです。一方で銀行は、現住所の住民票や既に登録されている口座情報に基づき、一文字の狂いもない厳格なルールでローン契約書を作成します。この勤務先が決めた名前と、銀行が採用した契約名義が1文字でもズレれば、融資は止まってしまいます。
3.この事故を防ぐために、営業マンが難しい確認作業をする必要はありません。やることは、たった二つの紹介だけです。一つ目は、土地家屋調査士に銀行担当者を紹介することです。 二つ目は、銀行担当者に土地家屋調査士を紹介することです。そして、こうお願いするだけです。 表示登記、そして銀行の契約の名前を一致させるように、お二人ですり合わせをしてください。たったこれだけです。難しい質問も、煩雑な事務作業もいりません。プロ同士を直接繋いで、足並みを揃えてもらう。これだけで、更正登記という最悪の事態は100パーセント回避できます。
4.新築戸建ての場合、土地家屋調査士は売主の指定であることが多く、仲介担当者にとっては直接の知り合いではないケースも多いでしょう。しかし、そこで遠慮してはいけません。売主経由で連絡先を確認し、あえてこちらから銀行担当者に繋いでください。売主の担当者に、表記のトラブルを防ぎたいので調査士の先生を銀行の担当者に紹介させてくださいと伝えれば、断る理由はありません。このひと手間を惜しまず、直接プロ同士を繋ぐことこそが、大切なお客様の決済を守る最強の防衛策です。
結論:銀行は司法書士を信じ、司法書士は調査士を信じます。しかし、肝心の銀行の契約ルールを調査士に伝えている人は誰もいません。お客様にとって一生に一度のマイホーム購入を成功させるために。銀行と土地家屋調査士を繋ぐというシンプルなアクションで、確実なお引渡しを実現しましょう。
